9.合宿中の肝試し

  • 2019.05.20 Monday
  • 15:20

 人形劇団てのひらは、制作に入るとよく合宿をした。ひと通り制作や練習が終わると合宿所に入る。

 制作や練習を終えた後の夕食後、近くの八事・興正寺の高台にある墓地で、肝試しをしようということになった。くじで男女2人のペアを決め、怖い話をする。そして、下から石段を上がって上の墓地に行き、一番奥の古い怖そうなお墓の前にノートが置いてあって、ノートに自分たちの名前を書いて、帰りは別のルートの坂道をみんなが待機しているところに帰ってくるのだ。

「昔、あるところに小さな古井戸があって…」 話を少しはじめただけで、もう新人女子たちは身震いしはじめる。

「悪の十字架の話…古い古いお店の入口に一人のみすぼらしい男が立っていた。その男は、地獄からの伝わってくるような声を出して、お店の門番に声かけた・・・開くの十時か?

こんなたわいのない話だが、肝試しというと女子たちはキャーキャー言う。それをうれしそうに、眺めていたのがシオカラとヨー君とユキコ。怖がる女の子たちに手を組んでもらえるだろうという期待からだ。

 トップバッターは、オオマサ君ととん平。真っ暗い階段を2人で恐る恐る登っていく。上の方でキャーッという声が聞こえ、男たちはニヤニヤ笑っている。次は、アサノ氏とスルメ。三番手は、ヌーボーとのん・・・

 怖さのため石段を登り切れず、駆け下りてきてしまう女子もいた。わたしは、べーといっしょに行くことになった。腕にベーがしがみついてくる。しがみつかれてうまく石段を登れない。ベーの胸が腕にむぎゅ〜っと押し付けられて、こちらは怖いことより、なんか気持ちいいというかうれしいというか…。ベーは、見た目以上に着やせしていて、胸がふっくらしていた。

 チビ太はバケといっしょじゃなかっただろうか?…後半になって慣れてきたので上級生の女子たちはそれほどの怖さを感じなくなってきた。そこで、シオカラとユキコと赤シャツの3人で上の方に行って3か所に分かれて隠れておどかしてやろうということになった。階段の木陰に隠れて、ペアで石段を登ってくるのを待った。

 登ってくる2人に木を揺らしてガサガサ音を立てるだけで悲鳴を上げる。面白くて興にのってやっていたのだが、脅し役の3人に思いの他の敵が現われた。「かゆーい、かゆかゆかゆーーっ」やぶ蚊の大群である。ペアが階段を登ってくる前にすぐに降参。3人は坂道を転げ落ちるように帰ってきた。手足がやぶ蚊に食われて、真っ赤になってしまったのである。

 

 合宿所へ戻ると先ほどの肝試しの後、いくつかの仲のいいペアが出来ていた。オオマサにとん平はもちろんのこと、アサノ氏にスルメ、ヌーボーと確かのんちゃん。

 ヌーボーとのんは壁にもたれて2人脚を投げ出して親しげに話している。まるで、チッチとサリーの漫画みたいに…

 合宿やコンパを通じてだんだん、カップルができ、増えていく。半面、やぶ蚊に食われた上に、そのまま女に持てない3人組を続けて行くのは、シオカラとユキコと赤シャツなのであった。

コメント
コメントする








    

calendar

S M T W T F S
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031 
<< July 2020 >>

selected entries

categories

archives

links

profile

search this site.

others

mobile

qrcode

powered

無料ブログ作成サービス JUGEM