C5.事故の後始末

  • 2019.09.11 Wednesday
  • 16:51

JUGEMテーマ:教育

 

 職員室にいると教頭からさっそく事情を聴いてこいと言われ、生徒の家に向かった。島には車はあるがそれほど多くない。島なんかで交通事故なんかに遭うなんて?…どうしてこんなところで事故に会うんだろうと思いながら家庭訪問をした。

 家に入ると親がいて事故の事情を話してくれた。島のメイン道路に路地から飛び出したら、坂の上から降りてきた50ccのカブにぶつかったという。生徒は元気そうでけがは軽傷であった。

 

 だが、それからが大変!島で交通事故なんてめずらしかったらしく、担当の駐在が事件が少ない島なので張り切って采配を振るっていた。知らなかったが、教師というのは事件事故があると書類を教育委員会に書いて提出しなければならない。どうして事故が起きたのかだけではなく、日ごろの生活態度はどうかとか、日ごろの交通指導はどうであったかとか、性格はどうなのかとか、うんざりするほどの調書を書かされた。生徒のけがなどの心配をするゆとりと気分が湧いてこない。生徒と話しても生徒の親と話しても、本人への心配よりも書類を書くことに頭がいっぱいになった。(こんなところも教育の問題点がある)

 

 島の教師は楽で気楽だと思っていたが、とんでもない。教室で子供たちに向き合う以上にやることがいっぱいあって島の教師でも朝部活が担当されて7時からは朝クラブなのでそれに出て、授業後も部活の面倒を夕方6時までみる。夕食をとってから事務処理を片づけて翌日の授業の準備をすると夜、9時から10時くらいになる。それから、東里の教員住宅に戻って寝るという生活が1週間続く。土曜日の夕方になると島から陸に上がって家に帰るのだが、翌日の日曜の午後3時過ぎると島に向かって船に乗る。まるで監獄の島に向かって一週間監獄に入れられる気分だった。とてもじゃないけど、24の瞳のような教師生活は望めない。

 共同炊事場にテレビが置いてあって、その当時水谷豊の熱血教師やっていたが、いっしょになった同僚と見ながら、「あんなにいいふうに先生なんてできないよなぁ」と言いながら見ていた。

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