7.甘えの時期

  • 2019.05.18 Saturday
  • 16:47

 毎日のサークルでの日常は、明るく楽しそうに振舞っていたが、自分は心の中に空洞を持っていた。それは、南山では、ニセ学生ということであり、自分の生き方、高校の時の失恋のこともあった。
 その空洞が、ときどき心の中でふっと顔を出す。人形劇の部室にいるとき、なぜかその空洞の波長に気づく人がいた。ボスとマキコである(もちろん、具体的なことではわかってないのだが…)。マキコは脚が悪く、ちょっと足を引きずるように歩くのだが、とてもきれいで細身のスタイルのいい人で、彼氏もいた。学年は上なのだが、自分は愛教大で1年過ごしているので年齢は同じ。当然だが、こちらのことを年下の後輩だと思って接してくる。浮かない顔をして、部室にいると「赤シャツーっ、どうしたのー?何か元気ないみたい…」と声をかけてくる。
 こちらはどうでもいいような話題に換えて、相談するように話すと親身になって応えてくれた。話し相手に応対してくれるだけで心地よかった。
 ボスはサークルの母のような存在で、感が鋭く、こちらのちょっとした動作振る舞いに気づいてくれた。多分、てのひらの新入生をおもんばかって、サークルをまとめるためのだったであろうが、ことあるごとに優しく癒すように接してくれた。時には真剣に手厳しい指摘も言ってくれる。そのてのひらのボスやマキコたちの作り出す優しい空間「てのひら」に自分は甘えていくようになった。

 

 新入生の中にいつもいっしょにいるキャンパスを闊歩している3人組がいた。ハン、ヨーコ、スルメである。彼らは南山高校から、そのまま南山大学きた。当時、「ジュンキン」という言葉があった。名古屋地方にしか通じないが、キリスト教の女子学校、金城中学・金城高校・金城大学、この3つを通過する女子大生のことを「純金」と呼んだ。

 彼女らはそのジュンキンならず、南山の「三羽カラス」!部室の男子達には陰でそう言われていた。女子がいつも3人トリオでキャンパスを歩いているとなかなか男子から声をかけにくい。こんなタイプは、あまりもてないだろうなと思っていたのだが…ところがどっこい。その後、この3人にはいろいろなことが起きていくことになる。

 

 それに引き換え、シオカラとユキコと赤シャツ、この3人トリオはサークルの中では、新人男部員のもてない代表格・三羽ガラスであった。

 新人の中でアシュラは、群馬出身、わりとイケメンだと思ったことがあったが、実際の恋愛状況はどうだったかあまり記憶にない。

 ヌーボーは、背が高く、いつも茫洋としていた。顔はともかく、男としての体格がいい。ただし、今の時代なら「ボーッとしてんじゃぁねぇよー!」とチコちゃんに叱られそうなタイプ。だが、女性から見るとどうだったのか、もしかするともてない3人組よりましで、魅力的だったのかもしれない。

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