21.船の旅

  • 2019.06.01 Saturday
  • 19:15

 昨日の台風の風雨が嘘のように治まり、鹿児島の港をメンバーを乗せたフェリーは出港する。船旅はなかなかファンタスティックなもので、タイタニック号のように鹿児島湾を雄大な桜島を左手に見ながら進んでいく。甲板を吹く風は台風一過で多少はあったが、爽やかなためメンバーは全員甲板にいて、すばらしい景色に圧倒されながらも、まだ見ぬ奄美大島に想いを馳せていた。このときまで、ブッチャーを除いて、全員このツアーをナメきっていた!

 出港をしても、鹿児島湾を抜けるのに2時間以上かかる。鹿児島湾をぬける頃には、もうすっかり陽は落ちていた。甲板に出ていてもしかたがないので、購入した席、二等客室の部屋に行く。映画や小説で知っての通り、二等客室は船底の最下層の部屋だ。甲板から三階下に階段で降りる。そこへ来て驚いた!

 平らなフロアにところどころに毛布や枕が置いてあり、そこら中に洗面器が散乱して置いてある。先に入った他の客はもう、すでに洗面器を抱いている。ヨー君とオオマサはすぐに青ざめ、こりゃ大変だと思ったらしく早速トイレに駆け込んだ。

 フェリーが鹿児島湾を抜け出て外洋に出ると急にフェリーが大きく揺れだした。チビ太が「大したことないぜ!」とつぶやいた。しかし、それから全員地獄を見ることになる。

 夜、9時を過ぎると船室も消灯となり、船内は小さな明かりだけとなる。台風の影響もあったろうが、船は大きく揺れだし、船室ごとまるで3階建てのビルの上に押し上げられたかと思うと、地の底へ落とされていくような揺れ方。これを延々と何時間も繰り返していく。

 たまらず、さっきまで元気よく大したことないぜ!と言っていたチビ太がウゲェーーッと洗面器にゲロを吐く。続いて、オオマサ、ユキコまでが元気よく、ゲゲーーッ!船室は修羅場と化した。これはたまらないと、ユキコが甲板に上がろうとする。だが、床から立ち上がれない。暗くて階段のところまでも行けない。これが延々と続くことになる。

 

 自分は鹿児島から奄美大島まですぐだと思っていた。船に乗ったらすぐ着くと軽く考えていた。自分だけじゃない、おそらくメンバーの全員そうだったはず。奄美生まれのブッチャーを除いて…

 夜の11時頃、やっと船が港に着いた。奄美大島に着いたかと思うとそうではない。まだ、屋久島であった。そこから、また出港、外洋に出る。日本地図を見て調べて欲しい。鹿児島湾を抜けるだけで相当の距離があり、奄美大島まで直線で250km、しかも奄美に着く前にいくつかの島を経由してフェリーは、奄美そして沖縄へと進むのである。

 

 翌朝、フェリーは奄美に到着。全員、死にそうな顔でフラフラだった。台風で鹿児島で1日待ったので、着いてからの予備日もなくし急遽最初の公演地の小学校に向かうことになる。

 

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